2008/09/16 (火)
ブックカバーにある粗筋によると「三分の二は笑いに溢れ、最後の三分の一は恐怖に引きつる」という事だったが、最初の三分の一で、正直「これは読み切るまで時間がかかりそうだ」と思った。その晩も「眠くなるまで(30分ぐらいが限界かな)」と思ってページを開いたのだが・・・
一晩で解説まで一気に読み切ってしまった。最後の三分の一からの、それまで吉本的なお笑い路線(失礼だな、俺って)から反転して、一気に雪崩のような恐怖シーンの連続となる展開はすごい。トイレに行くのも億劫な程だった(行けなかった?)。
そのストーリー展開、反転、展開という仕方といい、残虐&アクションシーンといい、映画っぽいなと思ってたら、舞台用の脚本を小説化したものだった。なるほどね。舞台でならドッと笑えるやり取りも小説にするとイマイチ・・・いや、というより、真ん中の三分の一あたりは、まぐろ解体用包丁、薪割の斧、チェーンソーといった如何にもなアイテム、あからさまな伏線に、笑うに笑えない緊張感が漂っていたからで、面白くない訳ではなかった。
ところで、子どもの無邪気さ故の残虐性に着目した映画は多くある。僕が観た映画、William Golding 原作 Harry Hook監督の「蠅の王」もそうだ。24人の男の子が無人島に不時着し生活を始める。救助期待薄の状況での非日常な生活に、子ども達は子ども故の無邪気な暴力性を発揮し始め・・・という映画だった。そんな展開かと思いきや。
全然。
「こどもの一生」は、映画で言うならB級ホラー。書いた本人もそう言うてはるし。主義主張があるでなし、ただ笑わせて、恐がらせる事に徹したかのような小説。でも、展開を予想すると、恐くて笑えない。だって中島らもですから。普通には終わらないですよ。
ついでに、結末も「そんなのあり?」という感じでB級ホラー的でした。